えりすまんてい

エリスマン邸

山手

シンプルだが合理的な美しさがある外観

究極のシンプルモダン。住宅建築の歴史を伝える家

山手の公開西洋館第一号。日本の近代建築の発展に大きく貢献した建築家「アントニン・レーモンド」による住宅。スイス生まれの生糸貿易商エリスマンのために建てられた邸宅です。当時は洋館に和館がついていたとか。日本古来の建築に近代性のエッセンスを落とし込み、山手の風土や地域性に合った合理性を追求した住宅となっています。建築史に残る貴重な洋館です。


おすすめポイント

装飾を取り払ったモダンなデザイン

 

ほかの西洋館と比べてしまうと、「簡素だな」と思ってしまうかもしれませんが、住宅としては一番最高な形であるエリスマン邸。現代の住宅デザインにおいても、コストを考える上でも、参考になる点をたくさん見つけることができます。たとえば、壁には一間の大きさの板を並べてそのまま使っているところ。板の自然な美しさをありのまま使い、かつ切り分けたりする必要もないのて費用がそこまでかからず、シンプルなかっこよさを表現できています。よく見ると壁に留められたビスが等間隔で並び、ビスさえも模様の一部にしてしまいます。こういった細部にまでレーモンド特有の近代性と合理性が感じられます。また、館内にはレーモンドがデザインした家具のレプリカもあるのでそちらにも注目です。

簡素の中に豊かな空間が見えてくる

「住む」ということを考えながらエリスマン邸を見てみる…。エリスマン邸の魅力はなんといっても空間としてのトータルな美しさ。直線的な形で、水平のラインが際立ちます。簡素な中に無駄がなく、住むことによって完成される空間。当時の建築は装飾や外形にこだわることが多かった中で、レーモンドは住む人の生活を大切にする考え方を重要視しました。そして景色さえも最高の形で見せられるように窓の大きさをデザインしています。ぜひ館内にある椅子の座り、山手でしか感じられないゆったりとした時の流れを感じてみてはいかがでしょうか。

大人気の喫茶スペース「しょうゆ・きゃふぇ」

玄関正面に位置する食堂はこの洋館の中心。その左奥、当時厨房だった部屋は今では小さなカフェ「しょうゆ・きゃふぇ」として使われています。横浜山手にあるナチュラルフレンチのお店エリゼ光がお醤油をテーマに作ったお店です。メニューにはお醤油を使ったパンや料理が並びます。中でも大人気なのが、ここでしか食べられないと話題の「プレミアム元祖生プリン」。なんと生卵が上にのっています!注文時にいろんな産地の卵を4種類から選ぶことができ、食べる人の口の中で新鮮な生プリンが出来上がるという仕掛け。窓からは元町公園の緑がきれいに眺めることができ、山手散策の合間にひと休みも◎。


歴史発見

チェコ出身の建築家アントニン・レーモンドは「近代建築の父」と呼ばれています。レーモンドは1919年、旧帝国ホテル建設のため、アメリカ人建築家、フランク・ロイド・ライトの助手として来日。やがてライトから独立し、日本にとどまって設計活動を続けました。1922年独立し、レーモンド事務所を開設し、多くの日本人建築家を育てました。神奈川県立音楽堂や国立西洋美術館の新館を設計した前川國雄もその一人です。レーモンドは師であるライトの影響が余りに強烈であったため、そこから抜け出すのに苦労したといいます。エリスマン邸はレーモンドがライトからの独立後、日本の大工に感銘を受け、かつライトのスタイルから決別しレーモンドらしいモダンな作風が出来上がるまでの過程がよく見て取れる初期の作品と言えます。

歴史発見

まるで館に住んでいるかのように、愛してやまない管理の仕方

エリスマン邸の高坂館長にこの西洋館に込める思いを伺った。


「常にいろいろな人に利活用してほしいですね。当初はただ見せるだけの館でしたが、今では展示室を一般開放しています。山手の西洋館は全館女性館長を採用し、子育てがひと段落した女性が、まるで館に住んでいるかのように、愛してやまない管理の仕方をしている。主婦の目線で館を管理すると、お掃除ひとつとっても、館の見せ方のアイデアや企画の面でも、どんどん変わっていきました」


エリスマン邸は横浜市が山手地区に洋館を残し、観光地化していくきっかけとなった館。歴史的に見ても、関東大震災後、日本における洋風住宅建築の歴史の始まりであり、横浜市だけではなく日本にとっても貴重なこの洋館。たくさんの人が訪れ、使っていくことで、このエリスマン邸を息づかせ、残していきたいですね。

エリスマン邸フォトギャラリー

エリスマン邸スポット情報

スポットデータ

スポット名 えりすまんてい エリスマン邸
電話番号 045-211-1101
住所 横浜市中区元町1-77-4
営業時間・定休日 9:30~17:00(7・8月は18:00まで延長)
[定休日] 第2水曜日(祝日は開館し翌日休) 年末年始(12/29~1/3)
備考

入場無料
地下ホールの利用は有料
喫茶「しょうゆ・きゃふぇ」ご利用時間10:00~16:00

ホームページ http://www2.yamate-seiyoukan.org/seiyoukan_details/Ehrisman/

エリスマン邸アクセス・駐車場情報

アクセスマップ

住所 横浜市中区元町1-77-4
徒歩

みなとみらい線「元町・中華街駅」6番出口 (アメリカ山公園口)を出て、山手本通りを右に元町公園方面に50メートルほど進む。

電車

みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩10分
JR京浜東北・根岸線「桜木町駅」より神奈中バス11系統「元町公園前」下車徒歩1分

タクシー※

元町・中華街駅付近から移動距離約1km(約730円)

※深夜料金は含みません。金額は目安です。ルートなどによって変動があります。

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駐車場情報

駐車場
提携駐車場

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近隣駐車場

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安全駐車場

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近隣の観光スポット

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